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十三番目の人格
著者:
更新日:2007/08/18(Sat) 12:47 / [ 修正]
十三番目の人格(ペルソナ)―ISOLA (角川ホラー文庫)
十三番目の人格(ペルソナ)―ISOLA (角川ホラー文庫)

著:貴志 祐介|出版社:角川書店|発売日:1996/04|文庫|4041979013|

人の強い感情を読み取ることが出来るエンパス由香里は,その能力を活かして阪神大震災後,ボランティアで被災者の心のケアをしていた。彼女は,西宮の病院に長期入院中の森谷千尋という少女に会う。千尋は多重人格障害だった。エンパスとしての力を悟られないようにしながらも,千尋の心の痛みが目に見えるようにわかる由香里は,彼女の回復に尽力することを誓う。だが,やがて千尋の中には,恐ろしい十三番目の人格ISOLAが潜んでいることに気づく。ISOLAは,何のために彼女の中にいるのか。
前から興味はあったのですが,未読だったもの。映画化になるとか?しかし,イソラ役の子のメイク怖いです…エンパス(人の感情を読み取る)やテレパスというのは,一見便利そうだけど本人は辛いだろうなあ。。人に酔うなんてことは,私達でもあるけれど強い感情って大体が善くないものが多くてしんどいだろうなあ。

多重人格が,幼少時の虐待によって引き起こされる確率が高いと何かで読んだ記憶があrります。NHKでも,以前特集をしていましたね。これだけ幼児虐待の報道が多いと,日本でも多重人格障害の人などが増えるんでしょうか。小説だけの中にとどめておきたいものです。

人格って,いつどうやって形成されるものなんでしょう。多重人格に限らず。私の人格も作ろうと思ってこうなったわけではないし(性格とはまた違いますよね)。いろいろな要因が人格を形成するとしたら,今の世の中ってどうなのかなあ。。子どもを育てるのが不安になります。

お話は,D・R・クーンツの「12月の扉」をちょっと髣髴とさせます。同じような(というか,まるで同じ)器具が出てくるんです。ネタバレになってしまいますので詳しく書けませんが,いろんなところで同じようなシチュエイションが…。でも,後半がまるで違います。クーンツの方は,最初おもしろかったんだけど最後ちょっとあっけなくて,あれ?という感じだったので「ISOLA」の方が楽しめました。
屍鬼〈上〉
著者:
更新日:2007/08/17(Fri) 20:03 / [ 修正]
屍鬼〈上〉
屍鬼〈上〉

著:小野 不由美|出版社:新潮社|発売日:1998/09|単行本|4103970022|

人口千三百余、三方を山に囲まれ樅を育てて生きてきた外場村。未だ土葬をする珍しい地でもある。猛暑に見舞われたある夏、村人たちが謎の死をとげていく。増えつづける死者は、未知の病によるものか、それとも、ある一家が越してきたからなのか…。村唯一人の医師敏夫,寺院の跡取り静信はその謎を解明し村を救おうとするが。。
ようやく上巻読了。登場人物の多さときたら半端ではない。村の住民ほとんどについて言及しているのではないかと思うほど。村民の生活がじわりじわりと恐怖に侵食されていくのに,村民はそれに気づかない。いや気づかないと自分に言い聞かせながら暮らしていることが実に詳しく描かれる。読んでいても上巻ではほとんどおどろおどろしい場面は出てこない。静かなものだ。もちろん,そのままではすまないだろう。なんといっても小野不由美なのだから。上巻終盤で徐々に怖くなってきますよ。

「屍鬼」の登場人物の多さときたら。篤ってええっと・・とか恵って誰の娘だったっけ?なんて考えながら読んでいたんだけど,どんどん増える死体(^^;
ついにギブアップしました。登場人物表(相関図)でも作ろうかと思い,「私が思いつくってことは誰かもうやっているはずー♪」とNET検索してみました。そしたらありました。ありました。[[Qさんの小野不由美屍鬼人物一覧:http://www.lares.dti.ne.jp/~sakki-/fuyumi/siki.html]]。とっても便利です。
屍鬼〈下〉
著者:
更新日:2007/08/17(Fri) 20:35 / [ 修正]
屍鬼〈下〉
屍鬼〈下〉

著:小野 不由美|出版社:新潮社|発売日:98/09|単行本|4103970030|

村は死の中に弧絶している―息を潜め、闇を窺う村人たち。恐怖と疑心が頂点に達した時、血と炎に染められた凄惨な夜の幕が開く。
まあ,想像通りのモノが暗躍していたことが分かるわけだが,作者は別に読者を驚かそうとか怖がらせようと思ってこの作品を書いたのではないんじゃないか。そう思える展開。「人」とは何か「生きる」とはどういうことか,そして「神」とは。静信の葛藤・俊夫の行動は勿論登場人物の生き方を通して訴えてくるものがある。上巻の静に対して下巻は動。上巻をがんばって読みきれば,この下巻は一気に読破できるだろう。

長かった・・・重かった・・・好みが分かれる本だろうけど,私は満足。ハードカバーにふさわしいどっしりとした物語だった。読み出したら止まらなくて金曜夜4時半に読了したんだけど,しばらくぼおっとして眠れなかったもんなあ。

「12国記」でも「天帝」とは何だろうと小野不由美は登場人物に何度か言わせているが,この本でも「神」と「人」について書いている。うーん考えちゃったよ。でもうまく言葉にできない。
<以下ネタバレです>
























<以下ねたばれ:反転させてください>

しかし敏夫の行動は怖かった。いくら「屍鬼」がヒトではないとしてもそこまでするんだ・・・といったうすら寒さ。でもヒトを救うためにはっていうのも分かるし,それで分かったこともあるわけだから。うーん。まあ奥さんはウカバレマセンね。でもそこまで行っちゃう敏夫はまだ理解できる。
人間が怖いと思ったのは,やっぱり大勢の村民の存在。ずーっとうわさだけで何の行動もしなかったのに,敏夫に納得させられてからのキレようは本当に怖い。
敏夫は,ちゃんと自分で考え行動してるから,彼の出した結論も受け入れられるけど。あーうまく言えない。でも静信より敏夫の方が好きです。誠心・精神・清新・生新って,「せいしん」で入力するとこんなに思わせぶりな変換が。。。
夏野と昭には生きててほしかったなあ。律子とかも。

2002.09.06 (金)
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