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光の六つのしるし
著者:
更新日:2007/08/17(Fri) 22:01 / [ 修正]
光の六つのしるし (児童図書館・文学の部屋 闇の戦い 1)
光の六つのしるし (児童図書館・文学の部屋 闇の戦い 1)

著:スーザン・クーパー|出版社:評論社|発売日:1981/01|単行本|4566013006|

11歳の誕生日に、ウィルの「古老」としての力が目覚めた。「闇」の黒騎手が呼び寄せた大雪の中、ウィルとその師メリマンは、光のしるしを探す。
この世の「光」と「闇」の戦いに、「古老」たちは加わっていて、ウィルもその一人らしい。「古老」の力は時代を自由に行き来することができるということ。「古老」同士で精神感応できるということなど、いろいろある。師メリマンが、やたらと強くてウィルもあんまり困らない。「十二国記」を読んだばかりだとちょっと物足りない感じ。比べること自体がおかしいんだけど。中々その世界に入りこめなかったが、後半はおもしろくなってページも進んだ。ホーキンが、哀れだった。
2001-09-05
狐笛のかなた
著者:上橋 菜穂子
更新日:2007/08/17(Fri) 09:32 / [ 修正]
狐笛のかなた
狐笛のかなた

著:上橋 菜穂子|出版社:理論社|発売日:2003/11|単行本|4652077343|

ひとの思いが聞こえる「聞き耳」の才を持つ少女・小夜が幼い日に助けた子狐は、恐ろしい呪者に命を握られ「使い魔」にされた霊狐だった。森陰屋敷に閉じ込められた少年・小春丸、そして小夜と霊狐・野火。彼らの運命は?
ああ,いつものことながら,あまりにも好きな本だと冷静に感想が書けません。
小夜も野火も小春丸も花乃も,みんな一生懸命に生きているのが本当に伝わってきて,涙が溢れた。花乃と小夜の一途さ,優しさ,強さが物語を支え世界を支えている。それを確かに伝えてくれる上橋さんの凄さ。しばらくぼうっとしてしまいました。

上橋さんの作品はいつも1文字目からぱあっと物語の世界が眼前に広がる。まるで,映画を見ているような,それどころか自分がそこにいるような感じがしてくる。だから最後のページを繰り終えた途端に,ほーっと脱力してしまう。
登場人物一人一人が,大切に大切にえがかれていて,一人一人の背景にまた違う物語が見えてくるほどだ。小春丸は,どうなったのか。大朗の過去にはどんなことがあったのか。鈴にはどんな人生があったのか。久那や玉緒は・・・

少しずつ少しずつ読もうと思っていたのに,読み始めると一気に物語に心を持っていかれてしまい,読了してしまった!ああ,もう少しこの世界に浸っていたかったのに。再読して,もう少し冷静になったらまた感想を追記します。

白井さんの画も素晴らしい。表紙がすごく綺麗

[[理論社特集ページ:http://www.rironsha.co.jp/tokushu/koteki/index.html]]
月神の統べる森で
著者:
更新日:2007/08/18(Sat) 20:04 / [ 修正]
月神の統べる森で
月神の統べる森で

著:たつみや 章 , 他|出版社:講談社|発売日:1998/12|単行本|4062094487|

はるか。太古の昔。山も川も木々も獣も…みな心をもった存在だった。人もまた、月神の統べる森の恵みを受け取って生きていた。ある時、海からきたヒメカの民は、土地をかこってクニとし、敵意をむき出してムラに襲い掛かってきた。そして、ムラの若き長アテルイと、美貌の巫者シクイルケは、流亡の旅の途中、翡翠色の目ももつ少年ポイシュマと運命的な出会いをするのだった。
縄文時代に光をあて・・・というところに興味を引かれて読んでみた。

家の扉をくぐるにも門の神に祈り、川の水をくむにも水の神に祈る。ポイシュマの生い立ちは特別であるから、祈りもまた多かったのだろうが、こういった「自然の恩恵に感謝する」という生き方ができたら、この社会も随分と違うのだろうと思う。
チャントの「赤い月と黒の山」でもそうだが、獣を狩るときにも相手への畏敬の念と感謝の気持ちをわすれず、多く取り過ぎないという生き方は、私達が考えなければならない大切なことだ。
物語は、ポイシュマの旅立ちで一巻を終えるが少年から大人への変化の儀式が大変に切なく、親というものはそういうものであるなと考えてしまった。
日の民と月の民、クニとムラ。対称的に見えるこの2つの民がこの後、どうなっていくのか楽しみだ。

全体にアイヌ神話が色濃く感じられた。(そこも好み)

2001-06-18
月の森に、カミよ眠れ
著者:
更新日:2007/08/18(Sat) 20:15 / [ 修正]
月の森に、カミよ眠れ (偕成社文庫)
月の森に、カミよ眠れ (偕成社文庫)

著:上橋 菜穂子|出版社:偕成社|発売日:2000/10|単行本(ソフトカバー)|4036524305|

月の森の蛇ガミをひたすら愛し、一生を森で送ったホウズキノヒメ。その息子である蛇ガミのタヤタに愛されながらも、カミとの契りを素直に受けいれられない娘、キシメ。神と人、自然と文明との関わりあいを描く古代ファンタジー。
山のカミと人間の娘との間に生まれたナガタチは、人々に受け入れられないことをずっと、カミのせいだと恨んでいた。その恨みを晴らすときがやってきた。
小さなムラの月の森のカミを封じるのだ。しかし、「カミンマ」であるキシメは、ナガタチに問う。「カミ封じができるのか」と。ナガタチは、カミの力を受け継ぐもの。しかし、相撲をとったタヤタに勝つことはできなかったのだ。そのタヤタこそが、月の森のカミだったのだが。
キシメとナガタチは、互いの物語を交換する。ナガタチはその生い立ちを。キシメは、カミンマである意味とタヤタのことを。
 キシメは、カミ封じに心から賛成しているわけではなかった。だが、ムラで稲を作り租を朝廷へ納めるためには、カミの「かなめの沼」に手をいれなければならない。それはカミの怒りを呼ぶことなのだ。キシメは、タヤタ(月の森のカミ)とムラの間で揺れ動く。
 ナガタチは、キシメの揺れに腹を立てていた。ムラのためといいながら、タヤタのことを全く考えていないからだ。己のことしか考えていないと。しかし、それはナガタチも同じなのだった。ナガタチは、初めて「おのれのしたいこと」を理解した。キシメも、カミ封じを認めたのはおそろしかったからだとわかった。「カミンマ」の本当の意味を理解したとき、しかしもう遅かったのだ。

ムラの人々が朝廷の文化を受け入れなくてはならない状態になったとき、ムラの人々は苦しい決断を迫られます。「カミは、何のためにいるのか」その問いにキシメは、ムラ人たちを説得することができません。ムラの苦しみがぎりぎりと迫ってきます。体に刺青をし、誇りを持って朝廷へ出ていった男たちは、その文化の特異性に恥ずかしさを覚えるのです。そして、生活習慣を変えようとします。それもムラのことを思ってのことなのです。キシメやムラの人々、ナガタチがそれぞれに決断をしなくてはならない、追い詰められた中でタヤタは、静かにその決断を待ちます。「おれをうけいれるか」と。

最近サトクリフを読んでいたので、異文化の出会いとその変容を描いているところが、重なるなあと思いました。人の生き方も。うまく説明できないけれど是非読んでもらいたい物語です。
2001-08-18
九年目の魔法
著者:
更新日:2007/08/17(Fri) 23:12 / [ 修正]
九年目の魔法
九年目の魔法

著:ダイアナ・ウィン ジョーンズ|出版社:東京創元社|発売日:1994/09|文庫|4488572022|

なにか、おかしい。壁にかかった懐かしいこの写真も、愛読していたベッドの上のこの本も、覚えているのとは違っている。まるで記憶が二重になっているみたい・・・
ポーリィは、自分の記憶を確かめ、忘れさせられていた本当の自分の記憶を取り戻す。そこには、ある魔法が関係していたのだ。
登場人物がとにかく魅力的。ジョーンズは初めて読んだが、実は小麦のお気に入り作家。「魔法使いハウルと火の悪魔」がおもしろかったらしい。(これも読んでみないと)
とても長い物語だが途中で飽きさせない。それはポーリィの生活がとても生き生きと描かれているからだ。英雄になる訓練を人知れず積むポーリィ。リンさんへの淡い思いを募らせるポーリィ。愛しいキャラクターだ。おばあちゃんのもとで英雄修行を積むあたりは「西の魔女が死んだ」をちょっと連想するけれど、このおばあちゃんもなかなかに素敵だ。
銀のキス
著者:
更新日:2007/08/17(Fri) 23:20 / [ 修正]
銀のキス
銀のキス

著:アネット・カーティス・クラウス , 他|出版社:徳間書店|発売日:2001/03|単行本|4198613303|

16歳の少女ゾーイは、死に向かっている母のことで毎日思い気持ちで暮らしている。自分は奈にもしていないのに…母の看病に疲れ果て自分と話しもしなくなった父、引っ越していく親友ロレイン。母の死という現実からわが子を遠ざけようとする両親の気持ちがわかりながらも、のけ者にされていることへの苛立ち、悲しみ。
いろんな感情に包み込まれ身動きが取れなくなっているゾーイが出会った美しい少年。
彼はサイモンと名乗り、自分の素性を話しゾーイに救いを求める。
サイモンに引かれるゾーイは、彼を助けることを約束してしまう。

サイモンが母親の敵と復讐を誓うクリストファーに立ち向かう2人。

自分の生活に垂れ込めてくる死の影に怯えるゾーイ。
不変の生に苦しみながらも、死への恐れを消せないサイモン。
不変とは、変化とは。
C.S。ルイスやサトクリフを幼い頃に夢中だったという作者が書きあげた吸血鬼と少女の物語。
2001-07-30
鏡のなかの迷宮〈2〉光る石
著者:
更新日:2007/08/18(Sat) 00:14 / [ 修正]
鏡のなかの迷宮〈2〉光る石
鏡のなかの迷宮〈2〉光る石

著:カイ マイヤー|出版社:あすなろ書房|発売日:2003/12|単行本|4751521292|

サイは投げられた!
メルレは黒曜石のライオンとともに、地獄の都へ。
伝説の大どろぼうゼラフィンは、仇敵ダリオと再会し、奇妙な館へと招かれる。
しかしそれぞれの試練は、巨大なパズルのピースのひとつにすぎなかった。
もつれあう秘密の先にある真実がすこしずつ明らかになる待望の第2部。
1部で出てきた石のライオンでも驚いたのに,2部ではさらにスフィンクス族とか地獄のリリムとか,またもやにぎやか過ぎるほどの変わった生き物がてんこもり。石のライオンがとってもいい。好きだなあ。この巻でも謎はあまり解明されない。3巻でるまで待って読んだ方がよかったかな。
未読の方は,あとがきは後から読みましょう。かなりネタバレです。
鏡のなかの迷宮〈1〉水の女王
著者:
更新日:2007/08/18(Sat) 00:16 / [ 修正]
鏡のなかの迷宮〈1〉水の女王
鏡のなかの迷宮〈1〉水の女王

著:カイ マイヤー|出版社:あすなろ書房|発売日:2003/07|単行本|4751521284|

たった一つの両親の形見は不思議な水で作られた水鏡だった。瀕死の水上都市ヴェネチアを救うため、少女メルレの孤独な戦いが始まる。読み出したらとまらないドイツのベストセラーファンタジー第1部。
いきなり人魚は出てくるわ,空とぶライオンはでてくるわで,目が点状態。ヴェネチアが舞台ということで水が重要なキーワードになっているようだ。物語のいろいろな謎が提示されたところなので,おもしろいかどうかはまだ分からないが,物語のおもしろさとしては十分期待できそう。佐竹美保の絵がいい。特に見開きの絵が好き。
虚空の旅人
著者:
更新日:2007/08/18(Sat) 20:17 / [ 修正]
虚空の旅人 (偕成社ワンダーランド)
虚空の旅人 (偕成社ワンダーランド)

著:上橋 菜穂子|出版社:偕成社|発売日:2001/07|単行本|4035402702|

今回の主人公はチャグム。一話で女用心棒バルサに助けられていた新ヨゴ皇国の皇太子。一話よりも大分成長したチャグムは、星読博士のシュガとヤルターシ海のサンガル王国へ向かいます。新王の即位の儀に皇国を代表して参加するためです。ところが、サンガル王国では謀反の企てが密かに進行中で、チャグムたちは望むと望まないと似かかわらず、その陰謀と呪詛の中に身を置くことになるのです。
呪詛の中心になるのが<ナユーグル・ライタの目>となった5歳の少女エーシャナ。彼女は、自分を取り戻さなければ海に返されてしまいます。それは即ち死を意味し、チャグムは彼女を救いたいとある行動を起こします。
サンガル王国は、どうなるのか。チャグムはエーシャナを救えるのか。
今回の舞台は、海の香りがしてきそうな描写が印象的。
バルサは、出てきませんが、やはりただものではない女性がでてきますよ。
サンガル王国は、王家の女性たちが裏で政治を動かすという国。この国の制度も興味深いです。(そのことが、謀反の原因の1つにもなっているのですが。)今回もこの世界と重なっているもうひとつの世界が見え隠れし、重要な鍵となります。
チャグムが、国の重要人物であるということを嫌がりながらも、その責任を全うし、よい国を作りたいという思いを強く持っているのだという部分が頻繁にでてきます。ああ、すねているだけの子どもから少年、青年へと成長しているのだと感じました。
サンガル王国のタルサン王子との比較が対称的で、同じく誠実であろうとする2人のあやうさが、物語を支えている。あやうさを持ちつづけて、大人になることの難しさ。でも、そのあやうさを持ちつづけてよい国を築いてほしいと思います。とても人間臭い物語です。
本書は佐竹美保さんが挿絵。
2001-08-11
騎士の息子 上
著者:ロビン・ホブ
更新日:2007/08/17(Fri) 09:28 / [ 修正]
騎士(シヴァルリ)の息子 上 <ファーシーアの一族>
騎士(シヴァルリ)の息子 上 <ファーシーアの一族>

著:ロビン・ホブ|出版社:東京創元社|発売日:2004/12/18|文庫|4488562019|

〈技〉とよばれる不思議な力を持つ遠視者一族が治める六公国。その国に継ぎの王の私生児として生まれた男の子がいた。出自ゆえに庶子(フィッツ)と名付けられたその子は、祖父である国王の命令で密かに暗殺者としての教育を受ける。折しも長年の宿敵外島人の、赤い船団による沿岸地域への襲撃が激しさを増し、六公国は次第に疲弊してゆく。王家の影として生きる宿命を背負った少年の成長と試練。魔法と陰謀渦巻く異世界ファンタジーが開幕。
あとがきを読むと女性作家さんメガン・リンドーム(Megan Lindholm)の別名だそうです。ファンタジー作家として,有名らしいのですが初めて知った作家さんです。<ファーシーアの一族>の第1部。

さて,物語。暗殺者としての教育を受けるというあたりは,レイルとちょっとかぶるところがありますね。(レイルは少女でしたが)。レイルは苦手な本だったので,違う展開になってくれることを切に望みます。 世継ぎの王の庶子として生まれた少年の話で,彼が老人となり,当時を思い起こして書き記す,という文体になっています。物語は全体的に暗い,重い^^;。でも,面白いです。

6 歳で親元から引き離された少年は名前すらなく,「坊や」や「フィッツ(庶子の意味)」と呼ばれています。歓迎されない出自のため,温かい愛情に包まれることなく育つ彼は本当に不憫。特に初めのころのわんころとのエピソードには涙が出ます。暗殺者としての教育を受けた彼がどんな人生を歩んでいくのか,嫌いな展開(レイルみたいな)だったらどうしようと思ったんですが,その心配はなさそう。今後が楽しみです。

さて,登場人物。みんなどこか屈折しているところがいいです。公明正大な完璧人間は皆無。ブリッチ,シェイド,ペイシェンス,そしてフィッツの父親などなど。モリーもいいなあ。しかし,中でもヴェリティがいいですー。ちょっと鈍感で,軍隊上がり。おまけにフィッツに時折見せる優しさがいいです。
灰色の王
著者:
更新日:2007/08/17(Fri) 21:57 / [ 修正]
灰色の王
灰色の王

著:スーザン・クーパー|出版社:評論社|発売日:1981/01|単行本|4566013022|

ウィルは、肝炎にかかり危うく命を落としそうになる。命をとりとめたものの、前作で脳裏に刻んだ呪文を忘れてしまう。静養のために訪れたウェールズでウィルは白髪の少年ブラァンと出会う。ブラァンは、出生に謎があり、ウィルの探索のために重要な役を果たすことになる。恐るべき<灰色の王>の山に<黄金の竪琴>を探しに2人は行く。
前2作でもそれとなくちりばめられていたアーサー王との繋がりが明らかになる。今回はメリマンはあまり出てこず、ウィルがブラァンと助け合いながら探索をする。メリマンが強大すぎてあまり好きになれない私にはいい本だった。
あまりにも愚かなプリッチャード。人のいうことを端から聞かない人はやはり「闇」を呼び寄せるのね。2作目では赤犬が活躍したけれど、本書では牧羊犬が活躍する。<灰色の王>に利用された形になってしまったカーヴァルは、本当にかわいそうだった。4作へのはじまりを示す第3作の終わり。期待できそう。
2001-09-05
海と炎の娘
著者:
更新日:2007/08/18(Sat) 00:00 / [ 修正]
海と炎の娘
海と炎の娘

著:パトリシア A.マキリップ|出版社:早川書房|発売日:1980/06|文庫|4150200211|

おのれの名にまつわる謎を解明すべく,偉大なる者を訪ねてエーレンスター山へ旅立ったモルゴン。だが,その後ようとして彼の行方は知れず,はや1年の月日が流れた。エーレンスター山で彼の身に何が起こったのか。彼の季刊を待ちわびる人々は謎に翻弄され,次第に不安のとりこと化していった。そんなある日,モルゴンの婚約者レーデルルのもとに,凶報がもたらされた。すでにモルゴンは何者かによって殺害されていたというのだ。沈痛な思いを胸に事の真相を見出さんと,彼女もまたエーレンスター山への旅路をたどり始めるが…
『星を帯びし者』では,モルゴンが主人公だったが,今回は女性たちが主役だ。出てくる女性たちがみんな元気で強情で自我が強い。それが,とても魅力的だ。モルゴルの苦難を知りながら行動しない男たちに見切りをつけて,行動する潔さ。 前回はトールキンの色合いが濃かったが,今回はどちらかというとル・グィン系。

モルゴンも己とは何かと問い続けながら旅をしたが,レーデルルもまた,自分の名,自分の中に潜むものに怯えながら旅をする。蠢く死んだ王たち,海の香り…

うーん,暗い暗い夜に美しくきらびやかな光,熱い炎。とっても色彩豊か物語。オススメ
花火師リーラと火の魔王
著者:フィリップ プルマン
更新日:2007/08/17(Fri) 11:10 / [ 修正]
花火師リーラと火の魔王
花火師リーラと火の魔王

著:フィリップ プルマン|出版社:ポプラ社|発売日:2003/08|単行本|4591078108|

「いまから千マイルもむかしのはなし・・・」
と始まる物語手プルマンによる短編。花火師の娘リーラが父親の反対を押し切り花火師になるための修行に出る。リーラは腕のいい弟子なのに,父親が考えているのは娘にいい結婚相手はいないかということだけ。リーラは火の魔王に会いに行くのだ。短いのですぐ読み終わるが,とっても楽しい作品。でも,それだけじゃないのが,すごい。作中の人物はみんな何かを求めてる。
私が心引かれたのは,リーラが旅の途中で出会うランバシ一味。にわとり商売から川タクシー屋,強盗と仕事を転々とする一味。とってもおかしい一味なんだけど,彼らも自分探しをしているんだよね。それから,白い象。彼も悩める一人。
あとがきで訳者が述べているのを読みなるほどと思ったこと。
「プルマン本人は,自分はファンタジー作家ではないと力説しています。どういうことでしょうか。プルマンにとって,この世でもっとも大切なのは,「物語」だそうえす。物語こそ,人を人たらしめるものであり,そのことを素直にうけとめるのは大人ではなく子どもたちなので,プルマンは子どもの本を選びます。そして,プルマンの作品の主題は”成長して大人になるとは,どういうことなのか」。このきわめて現実的な主題を扱うにあたり,あくまで方便として,人間について,より自由に語ることのできるファンタジーのメカニズムを使うのです。だから,自分は純然たるリアリストなのだと,プルマンは強調します。」
読みながら感じたのはそういうことだったのだ。
花の魔法、白のドラゴン
著者:
更新日:2007/08/17(Fri) 17:10 / [ 修正]
花の魔法、白のドラゴン
花の魔法、白のドラゴン

著:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ|出版社:徳間書店|発売日:2004/08/29|単行本|4198619018|

ブレスト”は魔法に満ちた世界だ。たくさんある異世界の魔法のバランスを保つ、大事な存在でもある。ところがある日、その世界のイングランドに住む、宮廷付き魔法使いの娘ロディは、国中の魔法を司る「マーリン」が、恐るべき陰謀を企てていることに気づいた。だけど大人たちは、そんな話は信じてくれない。ただひとりの味方、幼なじみの少年グランドも、どんな魔法もひっくり返してかけてしまうから、頼りになるどころか、ロディの方が面倒を見なければならない始末。自分で陰謀に立ち向かう決心をしたロディは、古の魔女から“花の魔法”を受け継ぐのだが…。一方、“地球”の英国に住む少年ニックは、長年、魔法を習いたいと夢見ていたが、ある日、ロンドンのホテルから異世界に足を踏み入れ、事情がわからぬままロディを助けることになり…?冥界の王、燃えあがるサラマンダー、大地に眠る伝説の“白のドラゴン”…多元世界を舞台に、二つの視点から描かれた、波乱万丈のファンタジー。著者最新作にして渾身の最長編。
おもしろかったー。ジョーンズさんの豊かな想像力に圧倒された。今回の世界「ブレスト」は,王がたくさんの召使を連れてバスでぐるぐる国中を回っているという実にへんてこりんな世界。一般の人たちはちゃんと,「家」にすんでいるのに,王や廷臣たちは旅を続けるのだ。よく考え付くなあ,こんな設定。[[バビロンまでは何マイル]]で,●●なキャラだったニックが,とてもがんばっておりました。相変わらず寝起きがだめなニックのエピソードも,やっぱり笑わせてくれる。象のミニが可愛くて,よかった!いつも,後ろ足をもじもじさせている「はにかんでいる巨大な女子生徒」っていうたとえが最高にぴったり。
[[バビロンまでは何マイル]]の後日談なので,そちらを読んでから読むことだけは,強くお勧めします。

***花の魔法リスト
さて,この本では魔法にかかわる花がたくさん出てくる。(そのイメージがまた素敵なのだが)あまり聞いたことのない花も多いので,リストにしてみた。Googleイメージ検索などで検索する花の画像などが見られる。
クリスマス・ローズ
クレマチス
ジキタリス
スズラン
スピードウェル
ツタウルシ
ティーゼル
ノバラ
ハリエニシダ
ビタースイート
ヒメツルニチニチソウ
ビロードモウズイカ
ヒロハギシギシ
ブリオニア
プリベット
ベニクサフジ
マグワーツ
ヤエムグラ
ラッグドロビン
レッド・キャンピオン
ローズマリー
歌う石
著者:O.R.メリング
更新日:2007/08/17(Fri) 10:15 / [ 修正]
歌う石
歌う石

著:O.R.メリング|出版社:講談社|発売日:1995/12|単行本|406207933X|

自分は、何者なのだろう。これって、誰もが考えることではないかしら。あるいは、何者になるのだろうって。
ケイは、捨て子でいろんな里親家庭を回りひとりでやってきた。また、時々幻想を見ることもあり、悩んでいた。自分のルーツがわからず、いつも「自分は誰か」を考えている。そのケイの元に差出人不明の「不思議な本」が届く。古アイルランド語で書かれたそれらの書物はどれも古代の石碑を巡る話が書かれてあった。
ケイは、その話に惹かれるようにアイルランドへ旅立つ。
アイルランドで、石碑「歌う石」を探すケイは、不思議なことに過去の世界へタイムスリップしてしまう。「歌う石」に導かれて辿り着いたケイはアエーンという少女と出会う。
アエーンは、記憶をなくしおびえていた。ケイとアエーンは何故出会ったのか。謎の書物が伝えるものは何か。2人は賢者フィンタン・トゥアンを訪れ、助けてもらうかわりに古えの4つの宝を探すたびに出る。
2人の運命とトゥアハ・デ・ダナーン族、フィルボルク族、ゲーディル族、フォルモール族の戦いが複雑に絡み合い、壮大な運命のタペストリーを織り上げていく。

女魔術師となってアエーンを助けるケイ。かっこいいんですよ。アエーンがまた、赤銅色の金髪だそうで血気盛ん。出てくる男性がまた素敵。カハル、アマージン。
アエーンとアマージン、ケイとカハルのロマンスもまたいいんです。物語もいろんなエピソードが収斂してひとつの結末に至るところが素晴らしい。ケイの物語は続きがありそうな予感を持たせて終わっているので、続きが読みたいなあ。出てるのかしら。

メリングの「妖精王の月」「夏の王」「歌う石」の三作を読んだが、これらの中では一番好き。あとは「ドルイドの歌」のみ。
夏の王
著者:
更新日:2007/08/18(Sat) 00:10 / [ 修正]
夏の王
夏の王

著:O.R. メリング|出版社:講談社|発売日:2001/07|単行本|4062108291|

「妖精王の月」の後日談。「上王」フィンヴァラが人間界へ行ってしまった為、妖精界、人間界に様様な波紋が広がる。

妹を事故で亡くしたローレルは、妖精と取引し「使命」を果たした末に妹と会わせてもらうことになる。しかし、妖精とは気まぐれで彼ら独自の価値観で動くもの。ローレルは、欺かれたり裏切られたりしながらも、妹に会いたいという強い信念で「使命」に取り組む。「鳥の王」や「夏の王」「海の女王」など、現実と妖精界を旅しながらローレルは、やがて隠された真実へと近づいていく。
重なり合い、影響し合う2つの世界。美しい描写。流麗な翻訳。
中でもラスト部分の「夏至のかがり火」の描写は心に残った。
訳者あとがきにも書かれているように「贖罪」の物語だ。
妹を「死なせてしまった」と後悔している姉ローレルが、どのように使命をやり遂げていくのか。「全てのことの中心に愛があった」と最後にローレルは述べているが、そうこれは愛の物語でもある。
海賊の女王や鳥の王など魅力的な場面が出てくるが欲を言えば、もう少しその世界を愉しみたかったなあ、この枚数では仕方ないが。
2001-08-06
仮面祭,白鳥
著者:
更新日:2007/08/18(Sat) 14:07 / [ 修正]
仮面祭
ほん・まるしぇの「白鳥」をダウンロードしたんだけど、「不正なファイルです」となるのはなぜ?T-TIMEも準備したのにー。と悲しかったので妹尾ゆふ子さんのHPからダウンロードしたもの。とにかくねー、短いけれどいい!です。素敵。一話一話読み終わるたびに、余韻に浸ってしまう。竹河聖さんをちょっと連想。T-TIMEも初体験。なかなか良いです。あと、2作ダウンロードしてあるので、一日一作読むのです。楽しみです。


白鳥
娘は恋をした。白鳥の王に。

グリム童話をベースに作られたグリム幻視。恋はどうして、こんなに切ないのだろう。何もかも投げ打ってもよいと思えてしまうのだろう。その先にまっているのは、恐らく悲しい結末なのに。

それにしても、言葉が美しい。洗練されていて、イメージが次々と脳裏に表れる。湖、白鳥、廃虚に住む男。瞬く星空の下を男の元へと走る娘。。。
読み終えると、ほぉっとため息が出る。
挿画が、また美しい。是非T-TIMEで、読んでください。
現在は残念ながらファイルがないようです。妹尾さんのサイトには他のオンライン・ノベルなどもありますので,要チェック!
黄金の羅針盤
著者:
更新日:2007/08/18(Sat) 09:05 / [ 修正]
黄金の羅針盤—ライラの冒険シリーズ〈1〉
黄金の羅針盤—ライラの冒険シリーズ〈1〉

著:フィリップ・プルマン , 他|出版社:新潮社|発売日:1999/11|単行本|4105389017|

両親を事故で亡くしたライラは、お転婆な11歳の女の子。そんな彼女のまわりで子供が連れ去られる事件が起きる。どうやら北極で子供たちが何らかの実験に使われているらしい。ライラと彼女の守護精霊は子供たちを助けるために、船上生活者ジプシャンに同行する。世界に6つしかない黄金の羅針盤を持って北極へと向かったライラだったが…。世界的ベストセラーの冒険ファンタジー。カーネギー賞、ガーディアン賞ほか、数々の賞に輝く。
ライラと彼女のダイモン(守護精霊)は、調理場からは見えないように、うす暗い食堂の一方の窓ぎわを慎重に進んでいった。

この、最初の一分でグイッと引き込まれました。なんか、ツボにはまりました。特集ページでも作りたい気分。

オックスフォーフォード大学のジョーダン学寮で暮らすライラは、お転婆で近所の子供たちのボス格の少女だ。嘘をつくのも屋根に登るのも得意で、好奇心の固まりのよう。そのライラが、潜入していた部屋である謀が行われようとしていた。ライラは、冒険の中へ・・

という物語なのだけど、詳細は省きます。これから読む人のお楽しみにとっておきます。
登場人物が、とにかく魅力的。イオレクやファーダー・コーラム、ジプシャンや魔女たち。そして、何よりダイモン。ライラとそのダイモンであるパンタライモンとの繋がりの深さといったら!私も、ダイモンが欲しいーーーーー!!
とにかく読む価値あります。とってもおもしろい。次巻が出るのが待ち遠しい。
影との戦い
著者:
更新日:2007/08/17(Fri) 23:36 / [ 修正]
影との戦い―ゲド戦記 1
影との戦い―ゲド戦記 1

著:アーシュラ・K. ル・グウィン , 他|出版社:岩波書店|発売日:2000|単行本|4001106841|

多くの島からなる世界アースシー。血気にはやる高慢な魔法使いの少年・ゲドは、魔法の修行中、あやまって死の影を呼び出してしまい、厳しい試練に立ち向かっていくことになる。
再々読。物語コレクションの方(YA向け。ルビがない)を読みたかったのだが,ずーっと貸し出しなのでこちらを読む。

鳥頭の幸福を感じるのは,大好きな本を一から楽しめること。あれだけ好きな物語なのに,やっぱりどきどきしながら読了。

うーん骨太。

上橋菜穂子氏につながるものを感じてしまう。「闇の守り人」あたり。これが児童文学とは。わたしもこれは子どものころにも読んでいるんですが,そのころは物語のおもしろさだけが心に残っていて,大人になって再読したときにその深さにガツンとやられましたっけ。「子どもの頃に読んだ。」という方には是非是非大人になってから読んでもらいたい。
運命の剣
著者:マーセデス・ラッキー
更新日:2007/08/17(Fri) 09:53 / [ 修正]
運命の剣〈上〉
運命の剣〈上〉

著:マーセデス・ラッキー|出版社:東京創元社|発売日:2001/12/11|文庫|4488577040|


運命の剣〈下〉
運命の剣〈下〉

著:マーセデス・ラッキー|出版社:東京創元社|発売日:2001/12/11|文庫|4488577059|

(上)魔法使いケスリーの孫娘、まだ14歳のケロウィンは、母亡きあとの館の切り盛りすべてを任されていた。本来なら「姫」でいられるはずの彼女は理不尽さに悩むばかり。しかし、宴席の事件を機にすべてが一変する。父が殺され、兄嫁がさらわれたのだ。負傷した兄にかわって花嫁を救出したのは妹のケロウィン。前代未聞の事態にだれもが困惑、少女は自立し傭兵として生きる道を選択する。
(下)傭兵を志すケロウィンを後押ししたふたつのもの。ひとつは祖母ケスリーから譲り受けた魔法の剣"もとめ"。祖母にしか扱えなかったその剣は初めて後継者を選んだ。さらにはすぐれた師の存在。ケスリーと姉妹の契りを結んだ伝説の女剣士タルマだった。彼女の厳しい特訓により誕生した傭兵ケロウィンは、いよいよ本シリーズ"ヴァルデマール年代記"の主要舞台へと乗りこんでいく。
ケロウィン(この名前は…どうなんでしょう)は、ケスリーも持たなかった「心話」の力を持ち,タルマも舌を巻くほどの剣の腕を磨き上げる。自立を望むケロウィンは,男によりかかるのをよしとせず,自分の力で傭兵隊を持つに至るのだ。
ケロウィンの若さならではの傲慢さが、経験を積むことによって熟練した戦士・女性へと成長していく過程が丁寧に書かれている。ラッキーは、いつも生活の細部まで書きこんでその世界の広がりを感じさせるが今回の作品も正にそんな感じ。最後がトントン拍子に収まってしまったのは「ん??」と物足りなかったが、これがヴァルデマール年代記へのプロローグであり、あくまで本編に彩りを添えるためのものであれば、仕方ないのかな。それでも骨太でしっかり地に足のついたファンタジーだと思う。おもしろかった。
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