ジャンル - ファンタジー
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魔法の王国売ります!
著:テリー ブルックス|出版社:早川書房|発売日:1989/05|文庫|4150201242|
魔法の王国売ります―騎士と悪漢、竜と貴婦人、魔法使いて妖術師の故郷たるこの異世界の王はあなたです!こんなうさんくさいコピーが、こともあろうに一流デパートのカタログにのっていた。まともな奴なら冗談としかとらない広告だ。だが、中年弁護士ベンは違った。最愛の妻を交通事故死で亡くして現実の生活に絶望していたベンは、渡りに舟とばかりにこの夢の国を買いとった。ところがこの妖精物語の国、売り出されるだけの理由があって、広告には記されていないとんでもないことがあった…。全米ベストセラーのユーモア・ファンタジィ。
一生懸命に築き上げてきた人生にちょっと疲れることって,確かにある。最近の私もそう。大好きな仕事からも少し離れたくなる。私の逃げ場は読書で,現実世界から遠く離れることだ。ベンは,実際にファンタジーランドを購入し,移住してしまう。羨ましい気持ちでいっぱいだが,やはりそれなりの代償を払わねばならず,世の中そんなに甘くはないのであった。
弁護士であったベンの弁の立つこと。誠実であること,粘り強いこと,大人であることなどが,ユーモアだけでない深みを与えていると思う。正直1巻は,物語の始まりにすぎない感じで早速次が読みたくなった。
弁護士であったベンの弁の立つこと。誠実であること,粘り強いこと,大人であることなどが,ユーモアだけでない深みを与えていると思う。正直1巻は,物語の始まりにすぎない感じで早速次が読みたくなった。
魔女集会通り26番地
著:ディアナ=ウィン=ジョーンズ , 他|出版社:偕成社|発売日:1985/01|単行本|4037262606|
キャット・チャントは、男の子。両親を不慮の事故で亡くし姉のグェンダリンと親戚を探していました。グェンダリンは魔女でした。この世界では魔法が、あたりまえに存在しているのです。二人は、両親のいとこにあたるクレストマンシーに引き取られました。
ところが、グェンダリンはいつも人の注目を集めていたい性格で、しかも以前魔法を習っていたノストラムスさんのいれ知恵もあり、「世界を征服したい」という野望を持つ女の子だったので、おとなしくしているはずはありません。様々なとんでもないいたずらを魔法で引き起こし、その魔法の力の大きさにキャットは、いつも驚いていました。ところが、ある事件でグェンダリンがいなくなり、キャットは途方にくれてしまいます。グェンダリンの不始末の責任をとらなくてはならなくなったのです。
ずーっと読みたかった「魔女集会通り26番地」。
私の読書空白の時代に発行された本で、近隣の図書館にもなく、NETで知ってからずっと探していたのだが、ようやく読むことができました。
作者は、「ハウルシリーズ」を書いたダイアナ・ウィン・ジョーンズ。次回のジブリ作品の原作となりそうな話しも出ています。 とにかく、グェンダリンの性格が半端じゃなくすごいですよ。女王様って感じで。絶対近くにいてほしくないタイプ。で、キャットも最初はいるのかいないのか、わからないくらいの生気のない・…。
そのキャットが、だんだん成長していく様子が、おもしろく書かれています。後半、どんでん返しもあって、愉しめる物語です。
でも、残念なことに絶版。現在
http://www.fukkan.com/vote.php3?no=3507
にて、復刊運動中。読んでみたい方はご協力くださいね。
図書館をさがせばあるかもしれません。
そして、この続編が8月末に徳間書店から発売予定。こちらも楽しみです。
2001-08-11
私の読書空白の時代に発行された本で、近隣の図書館にもなく、NETで知ってからずっと探していたのだが、ようやく読むことができました。
作者は、「ハウルシリーズ」を書いたダイアナ・ウィン・ジョーンズ。次回のジブリ作品の原作となりそうな話しも出ています。 とにかく、グェンダリンの性格が半端じゃなくすごいですよ。女王様って感じで。絶対近くにいてほしくないタイプ。で、キャットも最初はいるのかいないのか、わからないくらいの生気のない・…。
そのキャットが、だんだん成長していく様子が、おもしろく書かれています。後半、どんでん返しもあって、愉しめる物語です。
でも、残念なことに絶版。現在
http://www.fukkan.com/vote.php3?no=3507
にて、復刊運動中。読んでみたい方はご協力くださいね。
図書館をさがせばあるかもしれません。
そして、この続編が8月末に徳間書店から発売予定。こちらも楽しみです。
2001-08-11

魔の沼
著:天沢 退二郎|出版社:ブッキング|発売日:2004/11|単行本|483544132X|
ほんとうにこれ、沼かしら?ルミはまだ疑ってみた。なぜなら、印波沼でも、森の奥の沼でも、長沼でも、沼の岸はたいていびっしりアシは生え、その先にはガマが生いしげり、そのまた先にやっと水面がはじまるのがふつうだ。それなのにこの沼(?)の水ぎわは、いきなりふつうの夏草のしげみになっている。これはおかしい、どこかインチキくさい、あやしい・・・・・・・・。
水面が、むこう、どのへんまでつづいているかは、霧のためにさだかではなかった。でもこれは、相当なひろさだ、ちょっとやそっとの出水なんかじゃなさそうだ。
そして、もうひとつ、ふしぎなことは-----そういえばそうだわ、とルミはいまさらのように気がついた---沼の水は黒かった、それもまさに真っ黒だった!
三部作「三つの魔法」の第二部。1作目と3作目を先に読んでしまったのでちょっと残念。でも、十分楽しめた。今回は、突然現れた黒い「魔の沼」の王との戦い。
李エルザが、凛々しく立ち向かう。ルミも重要な役所だ。相変わらず女の子が活躍し、男の子はアシスタント的役割。最後はいつものように、切ない部分がある。天沢さんの作品はいつも、死、犠牲が潜んでいて魔に打ち勝っても何だか悲しいのだ。
おもしろいです。おすすめ。
李エルザが、凛々しく立ち向かう。ルミも重要な役所だ。相変わらず女の子が活躍し、男の子はアシスタント的役割。最後はいつものように、切ない部分がある。天沢さんの作品はいつも、死、犠牲が潜んでいて魔に打ち勝っても何だか悲しいのだ。
おもしろいです。おすすめ。

冒険のはじまりしとき―女騎士・アランナ〈1〉 (女騎士・アランナ (1))
原著:Tamora Pierce|出版社:PHP研究所|発売日:2003/09|単行本|4569684211|
アランナ―たぐいまれな魔力と、騎士としてのセンスを兼ね備えた地方領主の娘。貴婦人になるように父から命じられるが、彼女がなりたいのは騎士。そこで、ふたごの兄と入れ替わり、男の子になりすまして宮殿で騎士の修業をする。王の息子ジョンをはじめさまざまな人間たちと関わりながら、波乱万丈なアランナの人生が今、始まった。騎士になる道を選んだ少女の、魔法と冒険のファンタジー全四巻、全米で少女達の圧倒的な支持を受けている作家、タモラ・ピアスの初翻訳。

壁のなかの時計
著:ジョン ベレアーズ|出版社:アーティストハウス|発売日:2001/04|単行本|4901142534|
ルイスは両親の死により叔父のジョナサンと暮らすことになる。ジョナサンは「魔術師に毛が生えたくらいの」魔法使いだ。隣家に住むツィマーマン夫人はれっきとした魔女。この二入に愛されてルイスは、ニュー・ゼベダイでの暮らしに馴染んでいく。しかし、ルイスには友達ができなかった。やっと仲良くなったクラスの人気者タービーを引きとめるため、ルイスはあるとんでもない事件をひきおこしてしまう。このままでは、世界が滅びる!ルイスは、世界を救うことはできるのか。
最初は帯の「ハリー・ポッターの原点」という言葉につられて購入。(しかし、ハリポタは未読)
よくある子供だましモノ?と思いきや、これが楽しめたのです。「変人」のジョナサン、紫の魔術を使うツィマーマン夫人、そしてアイザック夫妻。。。題名にもなっている止まらない「壁のなかの時計」。それぞれの要素が絡み合って、結末へ流れていく。
意外とおもしろかったです。
2001-06-03
よくある子供だましモノ?と思いきや、これが楽しめたのです。「変人」のジョナサン、紫の魔術を使うツィマーマン夫人、そしてアイザック夫妻。。。題名にもなっている止まらない「壁のなかの時計」。それぞれの要素が絡み合って、結末へ流れていく。
意外とおもしろかったです。
2001-06-03
風の竪琴弾き
著:パトリシア A.マキリップ|出版社:早川書房|発売日:1981/10|文庫|4150200343|
魔法使い学校の創立者にして偉大なる者ギステスルウクルオームを倒さんがため,古の魔法使いたちがランゴルドの都に集い来たるという。この噂を耳にするや,アン国の平穏な日々を後にモルゴンとレーデルルは,一路タンゴルドへと旅立った。だが,二人を待ち受けていたものは,竪琴弾きデスの陰謀だった。しかもデスの背後にはまたしても偉大なる者が!なぜ,かくも執拗にかれらはモルゴンとレーデルルの行く手を妨げるのか。・・・謎は謎を孕みつつ,物語はめまぐるしく流転し意外な結末を迎える。(裏表紙より)
頑固な二人の頑固比べで幕を開ける第3巻。途中のモルゴンの放浪が美しい描写なんだけどあまりに長くてだんだん飽きちゃ・・・いやいや,えーっとそれくらい悲惨だったということで。それを探しに行くレーデルルが気の毒になるほど。
しかし後半から俄然展開が速くなってきて謎は更にこんがらがり,まあ最後は途中で読めてしまいますが,それでもおもしろいです。美男美女なのにラブラブロマンスに発展しないあたり,ちょっと物足りないといえば物足りないですが。自立した女性人がかっこいい物語です。
しかし後半から俄然展開が速くなってきて謎は更にこんがらがり,まあ最後は途中で読めてしまいますが,それでもおもしろいです。美男美女なのにラブラブロマンスに発展しないあたり,ちょっと物足りないといえば物足りないですが。自立した女性人がかっこいい物語です。

扉の書
著:安田 晶|出版社:講談社|発売日:2003/06|文庫|4062556758|
『扉の書』―それを読み解いた者は、永久に老いない肉体と、この世の記憶を失うことなく後の世へも更なる次の世へも自在に行ける。だが、七百年前盗み出されてからこれまで、解読はおろか、その留め金さえもびくともしたことがないのだ。現在の所有者・老魔術師キルムスが途方に暮れる中、彼の元へ若い女が訪ねてきた。
「わたしと取引を」。
謎解きの鍵を持ってきたと言うエリル。読めぬ文字、閉じた扉を巡る二人の怒涛の冒険が始まる
これはおもしろかった!倫子さんの感想を見て購入してあった積読本。最近ゆめのみなとさんの感想を読んで思い出し,棚からひっぱりだして読んでみる。
ちょっと文章が硬い感じがするが,そこがまた内容に合っている。まさに,別世界が本の中に広がっていて,ゲドっぽい。これからどうなるの?というところで,終わってしまったのはちょっと残念な気がする。勿論,おじ様キャラに弱いワタクシはしっかりキルムスが気に入ってしまった。この著者はこれからチェックしておかなくては。キルムスのその後も読みたいなあ。
ちょっと文章が硬い感じがするが,そこがまた内容に合っている。まさに,別世界が本の中に広がっていて,ゲドっぽい。これからどうなるの?というところで,終わってしまったのはちょっと残念な気がする。勿論,おじ様キャラに弱いワタクシはしっかりキルムスが気に入ってしまった。この著者はこれからチェックしておかなくては。キルムスのその後も読みたいなあ。

盗まれた記憶の博物館 (上)
著:ラルフ・イーザウ , 他|出版社:あすなろ書房|発売日:2002/10|単行本|4751521268|
父さんが、弟が、次々と消えていく。だれかが私の記憶を消そうとしている…。ふたごの天才コンビが古代から現代まで、時空を超えて謎に挑む壮大な歴史ロマンファンタジー。ブックステフーダー賞受賞作。
おもしろい!しょっぱなから,主人公のふたごオリバーとジェシカは,自分の父親のことをまるで覚えていない。というか,父親が家にいないことに何の関心もなかった。ところが,警察が強盗として父親の捜索に来て,初めて自分たちに父親という存在がいたことを何となく思い出しはじめるわけ。父親が盗んだとされているのは「クセハーノ」の像。警備員として働いている博物館から盗み逃亡した疑いがかけられている。ところが,父親の記憶があいまいなふたごが屋根裏を調べたところ,母親の遺品を納めた長持ちから日記帳が見つかった。その日記帳に書かれていたのは,研究者としての父親の記録だった。・・・
という具合に物語りは進行していく。これ以上書くと,物語のおもしろさが薄れてしまうので,やめておくが,とてもおもしろかった。「ネシャン・サーガ」よりもこちらの方が好きかもしれない。下巻が楽しみだ。
という具合に物語りは進行していく。これ以上書くと,物語のおもしろさが薄れてしまうので,やめておくが,とてもおもしろかった。「ネシャン・サーガ」よりもこちらの方が好きかもしれない。下巻が楽しみだ。

盗まれた記憶の博物館 (下)
著:ラルフ・イーザウ , 他|出版社:あすなろ書房|発売日:2002/10|単行本|4751521276|
現代のベルリンと古代のバビロニアをつなぐ仮説を立証すべく走り回るミリアムとジェシカ。一方,オリバーはクワシニアで父を探し,悪神と対決する。「記憶」を巡る壮大なファンタジーの下巻。
おもしろかったー!
いろんな要素が盛りだくさんで,謎解きはあるわ。冒険はあるわで,息つく暇がありません。ネシャンのように,こちらの世界とあちらの世界の2つの世界があって,それが交互に語られ,最後は・・・という物語。こういう設定がお好きなのかもしれませんね。
今回は,「記憶」が重要なテーマで,ドイツの哀しい記憶についても正面から書かれています。こういったことが,児童書の中で書かれ,しかも説教くさくなく,子どもたちに読み継がれていくというのは素晴らしいと思う。
現代のベルリンも出てくるんだけど,NETやチャット,アバターといったものも出てきて,展開が速くなってます。オススメの一冊です!
いろんな要素が盛りだくさんで,謎解きはあるわ。冒険はあるわで,息つく暇がありません。ネシャンのように,こちらの世界とあちらの世界の2つの世界があって,それが交互に語られ,最後は・・・という物語。こういう設定がお好きなのかもしれませんね。
今回は,「記憶」が重要なテーマで,ドイツの哀しい記憶についても正面から書かれています。こういったことが,児童書の中で書かれ,しかも説教くさくなく,子どもたちに読み継がれていくというのは素晴らしいと思う。
現代のベルリンも出てくるんだけど,NETやチャット,アバターといったものも出てきて,展開が速くなってます。オススメの一冊です!

伝説の宝石―女騎士・アランナ〈4〉
著:タモラ ピアス|出版社:PHP研究所|発売日:2004/07|単行本|4569684920|
国を治める至宝を手に入れるため、激しい戦闘が行われている地帯に足を踏み入れたアランナ。女騎士の冒険シリーズ、第4巻完結編。
愛と魔法のファンタジー・女騎士・アランナシリーズの最終巻。
アランナはたぐいまれな魔力と、戦士の技を兼ね備え、トートル王国でただひとりの女騎士となる。宮殿を出て、南の大砂漠へと旅立ったアランナは、砂漠の民バジール族とともに暮らし、そこでバジールのシャーマンとして活躍する。シャーマンの後継者を育てたアランナは、こどものころからの夢であった偉業を成し遂げるべく、国家の統治をつかさどる伝説の宝石を求め、今度は異国へ冒険に出かけた。そこはもっか激しい争いのただなかにある地帯だったがその国で、立場を負われ逃げ戸惑う女王に出会い行動をともにすることになる。女王の身を守りつつ、憧れのシャン戦士に出会い惹かれていくアランナ。宝石をトートルに持ち帰ってからも、苦難の連続が待ち受ける。
アランナの成長とともに、愛と冒険を追いかけてきた本シリーズのクライマックスがいよいよ発刊です。
アランナの最終巻。陰謀とロマンスの第4巻でした。アランナは3人目の男性と出会っちゃって,人生の伴侶は果たして...という展開。惚れっぽいんだよん,アランナったら。でもこれだけ強烈な男性が周囲にいればしかたがないねえ。大団円でした。満足。

天地のはざま
著:たつみや 章 , 他|出版社:講談社|発売日:2001/03|単行本|4062106736|
「月神の統べる森で」「地の掟 月のまなざし」に続くシリーズ三作目。
戦争と平和を暗示する運命の子、ポイシュマとワカヒコ。同じムラの「ヤド」で暮らし、互いの友情を深める。冬の日、ムラの男達と共に交易の旅に出た二人は塩つくりのムラで、再び別れることになる。
ワカヒコはホムタと、アヤのクニでヒメカに戻る算段をする。しかし、裏切られワカヒコはとらわれてしまう。
一方ポイシュマは、塩作りのムラがアヤのクニに攻めこまれると知り、アテルイ、セタと一緒に塩つくりのムラを救いに走る。
絶望と怒りで恨みと憎しみ凝り汚れた悪しきモノを依りつかせてしまったポイシュマは・…
無垢で、悪しき心とは無縁だったポイシュマは、否応無しに争いや恨み、憎しみといった人間の闇の部分を知っていく。そうして、光だけだったその身に闇もたくわえていく。ワカヒコも・・・
光と闇、どちらがその身を支配するのか、ワカヒコとポイシュマはどんな運命をたどるのか。最終巻でどのような答えが出るのか。
2001-07-09
光と闇、どちらがその身を支配するのか、ワカヒコとポイシュマはどんな運命をたどるのか。最終巻でどのような答えが出るのか。
2001-07-09
縄文時代。
すべての物に神が宿り、人はその恩恵を受けて生きていると考えられていたポイシュマたちのムラ。
ムラの少年ポイシュマとクニの後継者とされるワカヒコ。2人の運命的な出会い後、2人はそれぞれの居場所へと帰っていった。しかし、ワカヒコを待っていたのは、叔母ヒメカによる幽閉だった。
ムラに連れていかれたポイシュマは、ムラに受け入れられ「ヤド」と呼ばれる寄宿舎のようなところで生活を始める。家族で暮らしていた頃には知らなかったようなことをたくさん学んでいく。新しい友人も増えた。
一方のワカヒコはヒメカの陰謀に翻弄され、クニを追われることになってしまう。それぞれの運命が今後どのように展開されていくのか3巻を読むのが待ち遠しい。
本書では、月にかかわる美しい描写が心に残った。「月の柱」の祭りと「三日月の船」だ。前作でカムイとなったシクイルケもモナッレラも下界を見守っている。しかし、「人の心を守るのも救うのも、最後はその者自身の心の力。」なのだ。「運命に負けぬ強さ」を2人は持つことができるのか、次巻が楽しみだ。
2001-07-08
すべての物に神が宿り、人はその恩恵を受けて生きていると考えられていたポイシュマたちのムラ。
ムラの少年ポイシュマとクニの後継者とされるワカヒコ。2人の運命的な出会い後、2人はそれぞれの居場所へと帰っていった。しかし、ワカヒコを待っていたのは、叔母ヒメカによる幽閉だった。
ムラに連れていかれたポイシュマは、ムラに受け入れられ「ヤド」と呼ばれる寄宿舎のようなところで生活を始める。家族で暮らしていた頃には知らなかったようなことをたくさん学んでいく。新しい友人も増えた。
一方のワカヒコはヒメカの陰謀に翻弄され、クニを追われることになってしまう。それぞれの運命が今後どのように展開されていくのか3巻を読むのが待ち遠しい。
本書では、月にかかわる美しい描写が心に残った。「月の柱」の祭りと「三日月の船」だ。前作でカムイとなったシクイルケもモナッレラも下界を見守っている。しかし、「人の心を守るのも救うのも、最後はその者自身の心の力。」なのだ。「運命に負けぬ強さ」を2人は持つことができるのか、次巻が楽しみだ。
2001-07-08
架空の世界「ヴァンダーライ」にオロヴァ、ニコラス、ペネロピーの三兄弟が招き寄せられた。思わぬ力によって引き裂かれ、それぞれの試練に向かっていく子ども達。単なる善と悪の戦いではなく、さまざまに練りこめられたテーマが複雑にからまる。
驚くべきは、細部まで練り上げられた世界観。それぞれの地に民に歴史があり、広がりを感じさせる。
特に、ケントール人の狩や命に対する考え方、簡素で確実な生活などがとても魅力的だ。
「必要は行為自体の邪悪さを軽することはできない。」
常に自らの誇りに基いて行動するオリヴァが、次第にたくましく少年から「男」へと成長していく物語・
2001-05-27
驚くべきは、細部まで練り上げられた世界観。それぞれの地に民に歴史があり、広がりを感じさせる。
特に、ケントール人の狩や命に対する考え方、簡素で確実な生活などがとても魅力的だ。
「必要は行為自体の邪悪さを軽することはできない。」
常に自らの誇りに基いて行動するオリヴァが、次第にたくましく少年から「男」へと成長していく物語・
2001-05-27

青猫屋
著:城戸 光子|出版社:新潮社|発売日:1996/12|単行本|410415301X|
異界の扉が静かに開き始める。優れた歌を創ることが無上の名誉であり、人々が歌の呪力を恐れる不思議な町があった。その町で呪力を持つ歌を消すのが人形師「青猫屋」廉二郎の裏の仕事。ある日、48年前の歌仕合の勝敗の判定を依頼された彼は、消えた歌の探索の果てに摩訶不思議な事件に巻き込まれた―。夏の一夜の見せ物小屋は夢か現か幻か。いつとも知れぬ懐かしい日本で男を惑わす妖しい生き物たちの謎。
歌が重要な小道具となっている独特な世界のファンタジー。歌を聞いて育った野菜が人にかみついたりね。青猫屋四代目当主廉二郎は、48年前の歌試合の判定を下すことができるのか?勝のは、お時さんか、ツバ吉か。不思議な味わいだった。
第8回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作
第8回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作

青空のむこう
著:アレックス シアラー|出版社:求龍堂|発売日:2002/05|単行本|4763002112|
ぼくはまだ決めかねてた。アーサーはぼくに背中をむけて歩きだした。そのとたん、エギーやママやパパや友だち、ぼくが知ってる人たちの顔が次々に浮かんで、どうしてももう一度会いたくなった。みんながいなきゃ生きていけない。死んでることだってできない。すぐにぼくは決心した。アーサーの後を追いながら呼びかけた。
「待って、アーサー。ぼくも行く」
アーサーは立ち止まってぼくを待った。それからふたりで駆けだした。“生者の国”を目指して―。
「感動の」とかで評判になっている本にはついつい手がのびない私ですが,たまたま図書館の返本コーナーにあったのが目に付いて借りてみました。死んだ少年の「生き生きとした」語り口は,ユーモラスで決して暗くない。彼のやり残したことというのが本当に身近なことで,却って涙を誘われてしまいました。分かってるのに,泣かされてしまいましたよ。評判になるのが分かります。ジェリーとのエピソードもよかったなあ。
「女神の誓い」「裁きの門」の2人タルマ&ケスリーの短編集。
9つの短編で構成されている。
2人の長年の夢だった「魔法使い」「戦士」そして、「賢者」を育てる学校を開設してからのことをえがいた「誓いのとき」だけは142ページの中編で、ケスリーの娘ジャドリーが活躍する。
それ以外は、傭兵の旅の途中での様々なエピドードが綴られていてちょっぴり悲しかったり、にやりとしたり。
前編2作を読んでから、読んでいただきたい。
9つの短編で構成されている。
2人の長年の夢だった「魔法使い」「戦士」そして、「賢者」を育てる学校を開設してからのことをえがいた「誓いのとき」だけは142ページの中編で、ケスリーの娘ジャドリーが活躍する。
それ以外は、傭兵の旅の途中での様々なエピドードが綴られていてちょっぴり悲しかったり、にやりとしたり。
前編2作を読んでから、読んでいただきたい。

西の魔女が死んだ
著:梨木 香歩|出版社:小学館|発売日:1996/03|−|4092896107|
中学校に入学して,不登校になったまい。喘息の静養も兼ねてまいは,おばあちゃんの家にしばらく滞在することになる。そこで,まいはおばあちゃんの魔女修行を受けることになる。
うーん。好きです。梨木さん。
本を読んでいてすごく感じたのは「匂い」。「色」。特に匂いは濃厚に感じた。
本自体の感想は置いておいて,不登校の改善の策(一般的には)として,「生活リズム」をいかに作るかというのはとても大切なこと。おばあさんは,これを「魔女修行」として課している。生活の中でのある程度の制約というか枠は,必要。崩れていってしまうか,踏みとどまれるかは案外そこに原因がある場合が多い。
そして,無理強いは絶対だめで逃げ込める場所がなくては,表には出て行けない。まいにとっては,家がその場所になりえず,おばあさんの裏庭がその場所だったのだろう。学校の先生に読んで欲しい本。(1999年9月)
本を読んでいてすごく感じたのは「匂い」。「色」。特に匂いは濃厚に感じた。
本自体の感想は置いておいて,不登校の改善の策(一般的には)として,「生活リズム」をいかに作るかというのはとても大切なこと。おばあさんは,これを「魔女修行」として課している。生活の中でのある程度の制約というか枠は,必要。崩れていってしまうか,踏みとどまれるかは案外そこに原因がある場合が多い。
そして,無理強いは絶対だめで逃げ込める場所がなくては,表には出て行けない。まいにとっては,家がその場所になりえず,おばあさんの裏庭がその場所だったのだろう。学校の先生に読んで欲しい本。(1999年9月)

精霊の木
著:上橋 菜穂子|出版社:偕成社|発売日:2004/05/25|単行本|4037441500|
環境破壊で地球に住めなくなった人類は、さまざまな星へ移住した。少年ヤマノシンの住むナイラ星も人類が移り住んでから二百年をむかえようとしていた。ところが、シンの従妹リシアが突然、滅びたと伝えられるナイラ星の民「ロシュナール」の“時の夢見師”の力にめざめてしまう。『精霊の守り人』等「守り人シリーズ」の著者・上橋菜穂子のデビュー作。15年の時を経て装いもあらたな新装改訂版。
200年前、地球人が移住してきたナイラ星は、鉱物資源にめぐまれた星であった。住民たちは、この星にまえから住んでいた異星人ロシュナールについては、現在も急速に滅亡しつつあるということ以外、ほとんど、なにも知らされてはいなかった。
もう,この本がなぜ絶版なのかわからない。
素晴らしい本です。
SFという形をとってはいるけれどコトなる文化を持った者が出会ったとき,歴史がどう動くかということが本当によくわかるように書かれています。まあ,こんな悲劇になることがないことも多いのでしょうが人類のたどってきた歴史を振り返れば,ほとんどの「未開」の文化と「先進」文化とが出会ったとき,この本のようになることがほとんどなのでしょう。
守り人シリーズよりも「月の森に,カミよ眠れ」の方が近いでしょう。侵略という点ではこちらの方がよりはっきりしているかもしれない。
侵略された側からの歴史。これは,学ぼうとしないと正史からは中々見えてこないのですね。例えば日本で習う「歴史」と韓国で習う「歴史」とはまるで違います。侵略した側とされた側では伝える「歴史」が違う。
じゃあ,「歴史」って何だろう。全てを鵜呑みにせず疑ってみることもまた大切なことかもしれません。
個人的にはSFというよりもファンタジーの色合いが濃いように思いました。
「リンガラー・ホウ」の美しいイメージ。精霊を得て初めて大人となるロシュナール人。「権威」によって抑圧され滅ぼされていくロシュナールの人々。それはあまりにも哀しく辛くてボロボロ涙がでました。守らなければならないもののために自己のプライドまで捨てなければならなかった人々。うー。哀しすぎる。
とにかく絶対一読の価値有り!
(2002.02.01読了)
もう,この本がなぜ絶版なのかわからない。
素晴らしい本です。
SFという形をとってはいるけれどコトなる文化を持った者が出会ったとき,歴史がどう動くかということが本当によくわかるように書かれています。まあ,こんな悲劇になることがないことも多いのでしょうが人類のたどってきた歴史を振り返れば,ほとんどの「未開」の文化と「先進」文化とが出会ったとき,この本のようになることがほとんどなのでしょう。
守り人シリーズよりも「月の森に,カミよ眠れ」の方が近いでしょう。侵略という点ではこちらの方がよりはっきりしているかもしれない。
侵略された側からの歴史。これは,学ぼうとしないと正史からは中々見えてこないのですね。例えば日本で習う「歴史」と韓国で習う「歴史」とはまるで違います。侵略した側とされた側では伝える「歴史」が違う。
じゃあ,「歴史」って何だろう。全てを鵜呑みにせず疑ってみることもまた大切なことかもしれません。
個人的にはSFというよりもファンタジーの色合いが濃いように思いました。
「リンガラー・ホウ」の美しいイメージ。精霊を得て初めて大人となるロシュナール人。「権威」によって抑圧され滅ぼされていくロシュナールの人々。それはあまりにも哀しく辛くてボロボロ涙がでました。守らなければならないもののために自己のプライドまで捨てなければならなかった人々。うー。哀しすぎる。
とにかく絶対一読の価値有り!
(2002.02.01読了)

精霊の守り人 (偕成社ワンダーランド)
著:上橋 菜穂子|出版社:偕成社|発売日:1996/07|単行本|4035401501|
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30歳の女用心棒バルサを主人公に、人の世界と精霊の世界を描いたハイファンタジー。野間児童文芸賞新人賞・産経児童出版文化賞・ニッポン放送賞・路傍の石文学賞を受賞した作品で、『闇の守り人』『夢の守り人』『神の守り人(来訪編)』『神の守り人(帰還編)』と続く「守り人」シリーズの第1弾。
100年に一度卵を産む精霊〈水の守り手ニュンガ・ロ・イム〉に卵を産みつけられ、〈精霊の守り人〉としての運命を背負わされた新ヨゴ皇国の第二王子チャグム。母妃からチャグムを託された女用心棒バルサは、チャグムに憑いたモノを疎ましく思う父王と、チャグムの身体の中にある卵を食らおうと狙う幻獣ラルンガ、ふたつの死の手から彼を守って逃げることになるのだが・・・
水の守り手とは何なのか? 夏至祭りに隠された秘密とは? 多くの謎を秘めて、物語は人間の住む世界「サグ」と精霊の住む「ナユグ」の問題へと発展していく。精霊世界の存在や先住民族ヤクーの民間伝承など、古代アジアを思わせる世界の記述の細かさ、確かさは、文化人類学者である作者ならでは。
バルサを筆頭に、みずからの運命を呪いながらも逞しく成長していくチャグム、おてんばバアサンの呪術師トロガイ、バルサの幼馴染みのタンダなど、登場人物のキャラクター設定には魅力があふれている。オトナの純愛物語、少年の成長物語としても深い味わいを残す本書は、子どもたちだけのものにしておくには惜しい1冊。(小山由絵)
30才の用心棒バルサ。
「長いあぶらっけのない黒髪をうなじでたばね、化粧ひとつしていない顔は日に焼けて、すでにこじわが見える。」うーん、この描写。とても児童文学の主人公のものとは思えない。しかし、このバルサ、実に魅力的だ。悩んだり、苦しんだりする等身大の女性だ。
バルサは、偶然皇子チャグムを救ったことから、警護の依頼を受ける。しかし、チャグムは「ニュンガ・ロ・イム(水の守り手)」の卵に関わる子どもだったため、異界・ヨゴ皇国の両方から追われることになる。
国を動かす聖導師と「異端」のトロガイの会話。チャグムの母親の辛さ。チャグムの警護の道すがら、バルサに関わる人々の歴史が少しずつ紐解かれ、次作へと繋がっている。
子どもよりもおとなの女性が愉しめる。超!!!!オススメ!
2001-04-30
「長いあぶらっけのない黒髪をうなじでたばね、化粧ひとつしていない顔は日に焼けて、すでにこじわが見える。」うーん、この描写。とても児童文学の主人公のものとは思えない。しかし、このバルサ、実に魅力的だ。悩んだり、苦しんだりする等身大の女性だ。
バルサは、偶然皇子チャグムを救ったことから、警護の依頼を受ける。しかし、チャグムは「ニュンガ・ロ・イム(水の守り手)」の卵に関わる子どもだったため、異界・ヨゴ皇国の両方から追われることになる。
国を動かす聖導師と「異端」のトロガイの会話。チャグムの母親の辛さ。チャグムの警護の道すがら、バルサに関わる人々の歴史が少しずつ紐解かれ、次作へと繋がっている。
子どもよりもおとなの女性が愉しめる。超!!!!オススメ!
2001-04-30

星兎
著:寮 美千子|出版社:パロル舎|発売日:1999/06|単行本|4894192128|
ぼくたちは、みんな『うさぎ』なのかもしれない。ぼくだけじゃないよ。どこから来たのか、どこへいくのか、だれだって知らないんだ。いつ、この地上から去ることになるのか…も。宇宙一せつない、物語。「ぼくをわすれない?」「忘れないですむものなら、宇宙が終わるまで」そして、永遠が見えてしまいそうな、青。
ユーリはある日、等身大のうさぎと出会う。ぬいぐるみを着ている「うさぎ」ではなく、本物のうさぎ。二人?は友達になり、かけがえのない日を過ごす。宝石のような日を。
ドーナツ屋でのひととき、不思議な真夜中の祭り、繋いだ手、肉球のあたたかさ。。。
人と出会うことの温かさ。別れの切なさ。自分は誰なのか、どこから来てどこへ行くのか。
小さくて愛しい、贈りたくなる本だ。本書は児童書ではなく、大人にこそ味わって欲しい物語。
ドーナツ屋でのひととき、不思議な真夜中の祭り、繋いだ手、肉球のあたたかさ。。。
人と出会うことの温かさ。別れの切なさ。自分は誰なのか、どこから来てどこへ行くのか。
小さくて愛しい、贈りたくなる本だ。本書は児童書ではなく、大人にこそ味わって欲しい物語。


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