ゆ - 湯本香樹実
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・・・・たしかに網枝さんは他の人とは違っていたと言える。ときには話しながら涙ぐむようなこともあって,僕はそれまで泣いている大人を見たことはあっても,僕に涙を見せる大人というのははじめてだった。けれどそんなふうに無防備だったにもかかわらず,網枝さんが僕に不安を与えることは決してなかった。笑っても泣いても,網枝さんは網枝さんとしてそこにいた。いくぶん低い,ささやくような声とともに。・・・(抜粋p183)
恋する男たち」と題するアンソロジーの中の一編。他には,篠田節子,唯川恵,小池真理子,松尾由美,森まゆみ(全て敬称略)が書いてます。
小学校6年から二ヵ年,祖父の元に預けられて出会った網枝さんへの淡い恋を描いた短編。よくあるパターンでしょ?でも,そこは湯本香樹実さん,祖母の幽霊が出て来たり,網枝さんが一風変わっていたり。ちょっとしたスパイスが効いている。僕の恋だけではなくて,祖父母の苦い恋もちょっと出てくるあたり,短いけれど味わいは深い。
恋する男たち」と題するアンソロジーの中の一編。他には,篠田節子,唯川恵,小池真理子,松尾由美,森まゆみ(全て敬称略)が書いてます。
小学校6年から二ヵ年,祖父の元に預けられて出会った網枝さんへの淡い恋を描いた短編。よくあるパターンでしょ?でも,そこは湯本香樹実さん,祖母の幽霊が出て来たり,網枝さんが一風変わっていたり。ちょっとしたスパイスが効いている。僕の恋だけではなくて,祖父母の苦い恋もちょっと出てくるあたり,短いけれど味わいは深い。

ポプラの秋
著:湯本 香樹実|出版社:新潮社|発売日:1997/06|文庫|4101315124|
夫を失ったばかりで虚ろな母と、もうじき7歳の私。二人は夏の昼下がり、ポプラの木に招き寄せられるように、あるアパートに引っ越した。不気味で近寄り難い大家のおばあさんは、ふと私に奇妙な話を持ちかけた―。18年後の秋、お葬式に向かう私の胸に、約束を守ってくれたおばあさんや隣人たちとの歳月が鮮やかに甦る。世界で高い評価を得た『夏の庭』の著者が贈る文庫書下ろし。
父親の事故死でポプラ荘へ越してきた母と千秋。千秋は,日常のあちこちに口をあけているマンホールから必死で身を守るうち,体を壊してしまう。日中,ポプラ荘の大家のおばあさんと過ごすことになる。ポパイに似ているおばあさん,最初はこわかったのだが,千秋は次第におばあさんと心を通わせて行く。ある日,千秋はおばあさんの秘密を知る。おばあさんは,あの世へ届ける手紙を預かって回っているのだ。
静かで,しっとりした物語だった。あの世へ届ける手紙を預かるおばあさんもなかなかいいし,登場人物がみんな何だかいい。母を守ろうとする子と,子を守ろうとする母。でも,からまわりしてしまうんだよな。切ないです。あとがきの,作者のおばあちゃんの言葉が心の残る。「あのね,あたしなんか後で考えて,『ああ,あの時は,あんなに若かったのに』って思ったことが山ほどある。1日1日をだーいじに,好きなように生きなさいよ。」わたしも似たようなこと,言われたことあるな。もう死んじゃったおばあちゃんに。(1999/10/16)
静かで,しっとりした物語だった。あの世へ届ける手紙を預かるおばあさんもなかなかいいし,登場人物がみんな何だかいい。母を守ろうとする子と,子を守ろうとする母。でも,からまわりしてしまうんだよな。切ないです。あとがきの,作者のおばあちゃんの言葉が心の残る。「あのね,あたしなんか後で考えて,『ああ,あの時は,あんなに若かったのに』って思ったことが山ほどある。1日1日をだーいじに,好きなように生きなさいよ。」わたしも似たようなこと,言われたことあるな。もう死んじゃったおばあちゃんに。(1999/10/16)
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