2003年09月25日

「精霊の守り人」

野間児童文芸新人賞、サンケイ児童出版文化賞 
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< ニュンガ・ロ・イムの卵 >

30才の用心棒バルサ。
「長いあぶらっけのない黒髪をうなじでたばね、化粧ひとつしていない顔は日に焼けて、すでにこじわが見える。」うーん、この描写。とても児童文学の主人公のものとは思えない。しかし、このバルサ、実に魅力的だ。悩んだり、苦しんだりする等身大の女性だ。
バルサは、偶然皇子チャグムを救ったことから、警護の依頼を受ける。しかし、チャグムは「ニュンガ・ロ・イム(水の守り手)」の卵に関わる子どもだったため、異界・ヨゴ皇国の両方から追われることになる。
国を動かす聖導師と「異端」のトロガイの会話。チャグムの母親の辛さ。チャグムの警護の道すがら、バルサに関わる人々の歴史が少しずつ紐解かれ、次作へと繋がっている。
子どもよりもおとなの女性が愉しめる。

投稿者 yura : 2003年09月25日 18:45
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