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2008.04.11 金曜日

スピリット・リング ロイス・マクマスター ビジョルド

スピリット・リング (創元推理文庫)
スピリット・リング (創元推理文庫)

著:ロイス・マクマスター ビジョルド|出版社:東京創元社|発売日:2001/01|文庫|4488587011|

魔法の素質は本物でも、女の子ゆえに魔術の道に進ませてもらえず、かといって持参金不足で結婚もできずに悩む、年頃フィアメッタ。父親は大魔術師にして公爵に仕える金細工師。だがその父はいまや息絶え、その強力な霊は邪悪な者のもつ"死霊の指輪"に囚われようとしていた!黒魔術から父を守るために、炎の乙女が立ち上がる。時代はルネサンス、恋と冒険の歴史ファンタジイ。

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2008.04.10 木曜日

The Magic Circle/Donna Jo Napoli

The Magic Circle
The Magic Circle

著:Donna Jo Napoli|出版社:Puffin|発売日:1995/06|ペーパーバック|0140374396|25,000語邦題:逃れの森の魔女

できるだけ遠くの森へ行こう、子どもたちを傷つけてしまわないように…容姿は醜いが、娘を愛する心優しい産婆。いつしか、病気の源である悪魔をあやつって人々の病いを癒す、女魔術師として活躍するようになる。だがある日、狡猾な悪魔の策略にひっかかり、魔女にされてしまう。「人間の子どもを食べろ」という悪魔の命に抗うことができるのか。ひとり、悪魔の誘惑とたたかう日々を送っていたが、そこへ、ヘンゼルとグレーテルという愛らしい子どもたちが迷いこんでくる―。

哀しい哀しい物語でした。強い強い女性の物語でした。

前半は,ただもう怖くて怖くてどきどきしながら読み進めました。初めて悪魔を召還するシーンは,彼女が悪魔に魅入られてしまはないかと恐ろしくて怖かった。いつ悪魔に取り付かれるんだろうと,どきどきしました。自分は善だと信じ,醜いけれど自分には神から贈られた才能を持つと自負する「醜い女」。彼女のほんのちょっとの驕りが悪魔をおびき寄せてしまったのでしょうか。それとも,彼女の美への欲望が,悪魔をおびき寄せてしまったのでしょうか。

悪魔の手に堕ちることを拒否し,孤独な戦いをする「醜い女」。哀しくて読むのが辛かった。でも,最後まで読んでよかった。とても哀しいのだけれど,人間の善を感じられるいい本です。短いけれど,ずばっと切り込んでくる物語でした。これだけの分量で,人間の弱さと強さを表現できるってすごい。おまけに「ヘンゼルとグレーテル」を魔女の視点から書くというのも面白い。とにかくドーンと来ました。

2008.04.09 水曜日

The Named/Marianne Curley

The Named (The Guardians of Time Trilogy)
The Named (The Guardians of Time Trilogy)

著:Marianne Curley|出版社:Bloomsbury USA|発売日:2005/05/13|ペーパーバック|1582349134|84000語

Sixteen-year-old Ethan Roberts has more to worry about than his lackluster grades. As one of the Named, he is charged with secretly protecting history from the Order of Chaos--an evil group that seeks to alter the past to achieve ultimate power in the present. Ethan is given orders to train his first apprentice, 15-year-old Isabel Becket, in a few short weeks as his growing nightmares soon make it apparent that trouble is brewing on a cosmic scale. The two are helped by Arkarain--Ethan's violet-eyed, blue-haired, 600-year-old mentor--and their secret powers. Isabel is a healer. Ethan is a master of illusion. Their stories evolve in rotating chapters, each told in a similar first-person point of view that makes chapter transitions disorienting at times. But The Named is at its strongest when school and parents fade. Its imagined settings are a pleasure, from the booby-trapped catacombs that house the Prophecy that was written before time to the Citadel--a way-station to the past--with its wildly decorated rooms. Ethan and Isabel's missions to Medieval England and colonial America are also a thrill, indicating that the adventures detailed in this book are just the beginning for this duo


イーサンは4歳の頃,美しい花が咲く瞬間を見ようと姉に誘われて森に入った。イーサンの姉は,自然の一つ一つを愛でる少女だった。しかし,彼女はイーサンの目の前で怪物に殺害されてしまう。それから12年。イーサンは夜毎悪夢にうなされ,母親は鬱状態。父親も疲れ果てていて,家族は崩壊の危機にあった。実は,イーサンはある能力の持ち主で「ガード」の訓練を受けていて,先日昇級したばかりだ。ガードとは,時を守る組織だったのだ。イーサンは,アーカリアンからある少女を訓練するように言われる。その少女とは,親友の妹イサベラだった。イサベラとはもう2年以上話をしていない。いつも兄にくっついて回る厄介者というのが彼女の印象だ。イーサンは,イサベラを訓練することが嫌でしょうがなかったのだが・・・・・。

イーサンはイサベルの兄と親友だったのだが,ある女の子の問題で三角関係になり。関係が悪化してしまったらしい。一方のイサベルは5歳のときからイーサン一筋。お転婆だったイサベルは,空手も黒帯だし,ロッククライミングなんかもバリバリやるスポーツウーマンになっていて,イーサンは思いっきり投げ飛ばされてます。^^;さて,二人はとあるミッションに向かうのだけれど,最初からトラブルが!

ガーディアンには対抗勢力がいて,カオス神が関わっているらしい。イサベルが襲われたり,予言が出てきたりとめまぐるしい展開。予言が書かれている場所にはトラップが仕掛けてあって,思わず「誰よ,こんなのを作った奴は!」と言ってしまったイサベルの召還に答えたのがあの人。ここはちょっと笑いました。イーサンたちの町にはガーディアンも対抗勢力も集まっていて,お互いにその存在を明らかにしていないわけ。あの人もあの人も怪しい…。

一つの街にこんなに集まるのかい!という突っ込みはさておき,誰が味方で誰が敵なのかわからない不安感,繰り返し見る悪夢など,ちょっとダークな雰囲気のファンタジーです。3部作なので,今後の展開が楽しみです。

2008.04.09 水曜日

遺伝子の使命 ロイス・マクマスター・ビジョルド

遺伝子の使命 (創元SF文庫)
遺伝子の使命 (創元SF文庫)

著:ロイス・マクマスター ビジョルド|出版社:東京創元社|発売日:2003/12|文庫|4488698115|


惑星アトスでは男性だけが人工子宮で生殖を続けてきたが、それを支える卵子培養基が疲弊していた。急遽新しい培養基が輸入されるが、途中で偽物にすりかえられていた。この一大事に一人の青年医師が宇宙に派遣される。銀河の要衝たる巨大宇宙ステーションに到着した彼は、初めて女性に出会った。彼女は美貌の傭兵中佐エリ・クイン。すべての背後には惑星間抗争につながる秘密が!""
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2008.04.08 火曜日

The Goose Girl/Shannon Hale

The Goose Girl
The Goose Girl

著:Shannon Hale|出版社:Bloomsbury USA|発売日:2005/05/13|ペーパーバック|1582349908|98,000語

アニィは「クラウン・プリンセス」なのだが,動物の言葉を解する叔母に教えられ,鳥や動物と会話することができる。アニィの不思議な力は噂になり,叔母は去り,「まっとうな女王」を求める母親はアニィを部屋に閉じ込め,女王教育を行う。自分の本心を押し込めて暮らしてきたアニィ。彼女が成長したある日,父親は事故で死亡。葬儀の場で,アニィは母親の裏切りを知る。アニィは,女王になるべく育てられ,色々なことをガマンしてきたというのに,彼女の「動物と会話する能力」によって臣民の支持を得られないこと,王が亡くなったこと,隣国との関係などから現女王(アニィの母)がある決断をしたのだ。そのため,アニィは旅に出ることになった。そうして,この旅がアニィの人生を大きく変えてしまうのだった。

とても面白かった!時間がかかってしまったのは,体調が悪かったためで,実質は3日ほどで読了。昔話を元にしたものです。昔話ベースですから,勿論王子様も登場します。これが,オーディオだと,とてもいい感じで。どっぷり浸れます。このオーディオCDはamazonではお高いですが,IMS(アイチューンミュージックストア)では何と1800円!10時間で,ノーカット版です。Full Cast Audio社が出していてキャラごとに声優さんが異なるのも魅力。私は聞きながら読んで,倍楽しみました。是非是非,オーディオブックと一緒に楽しんでください。

The Goose Girl
The Goose Girl

著:Shannon Hale|出版社:Full Cast Audio|発売日:2005/10|CD|1932076727

2008.04.08 火曜日

タランと角の王 ロイド・アリグザンダー

タランと角の王
タランと角の王

著:ロイド・アリグザンダー|出版社:評論社|発売日:1972/01|単行本|4566010155|

さて、お話はプリテインという架空の国の物語。両親の名前も知らないタランは、コル、ダルベン、そして豚や鶏などと平和に暮らしていた。平和過ぎて、退屈するくらいだった。タランは、外の世界へ出ていきたがったがダルベンはこれを許さず、タランの不満は募るばかり。「チャンスさえあれば、ぼくだってひとかどの人間に、英雄になれるんだ」タランは、いつも冒険を願っていた。名を挙げることを。

ある日、タランは豚飼育補佐係りを言い渡される。といっても、係りは2人だけ。それも今までやっている仕事に肩書きをつけたに過ぎない。それでもその豚が逃げ出せば後を追うしかない。その豚が予言を与える大切な豚であったのだから、なおさらだ。タランは、こうして平和に暮らしていた館を出、冒険に巻き込まれるのだった。""
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2008.04.07 月曜日

Dreaming of You/Lisa Kleypas

Dreaming of You
Dreaming of You

著:Lisa Kleypas|出版社:Avon Books (Mm)|発売日:1994/05|マスマーケット|038077352X|100,523語

彼女は、危険の入り口に立っていた。小説の取材をするために下町に来ていたサラは,3人の男に襲われている男性を救い出す。襲われていた男性は,デリク・クレイヴン。ロンドンでもっとも成功している賭博場のオーナーだった。彼は,伝説的な男でストリートからのし上がった人物として知られていた。サラは小説の取材を申し込む。デレクは,サラのような純真な女性と面識がなかった。彼女のやさしさ・率直さ・穢れのなさに強く惹かれてしまう。しかし,自分は穢れた身。サラを思えばこそ,身を引くことにする。二人は,雪の降る日に二度と会わないことを誓い合って別れるのだった。田舎に帰って,婚約者との結婚話を進めるサラ。一方サラを手放したデレクは酒におぼれる毎日だった。

Lisa Kleypas初期の作品だそうですが,とてもよくかけています。サラとデレクの心情が切々と書かれていて切ないです。珍しいなと思ったのは,サラが純情一直線な女性ではなかったこと。彼女には既に婚約者がいて幸せな生活が約束されているわけです。でもデレクに惹かれる気持ちを抑えることができない。婚約者に強く捕まえていてほしいのに,彼はそうしてはくれない。サラの葛藤やデレクの苦悩がとても丁寧に書かれていて読み応えがありました。また,デレクの一途さが光っていました。サラの●●●をそっと自分のものにして,肌身離さず持っているところとかがよかったわー。一方,悪役の人はとーっても怖かったです。Devil in Winterのヒロインエヴィの父親が出てきます。

2008.04.07 月曜日

王のしるし ローズマリ サトクリフ

王のしるし
王のしるし

著:ローズマリ サトクリフ|出版社:岩波書店|発売日:2000|単行本|4001108305|

かつて、スコットランドにはピクト族とスコット族が住んでいた。ピクト族は、カレドニア族をその中心氏族とする連合で、今日スコットランドに定着した氏族である。スコット族はアイルランドに落ちついたが、ずっと後の時代にその一部が西の初冬やスコットランドの海岸地帯に帰ってくるのだ。
 この物語の時代、カレドニア族は、各氏族を押さえる存在にはなっていたが、ピクト族としての連合にはいたっていない。カレドニアは多くの氏族をまとめようとしている。「王のしるし」は、カレドニア族とダルリアッド氏族との争いにローマが少しだけ関わっている物語だ。
 カレドニア族は大地の母の信仰を保ち、ゲール人ダルリアッド族は太陽をあがめる。そのダルリアッドの王の身代わりとなった「赤のフィドルス」は、元剣闘士。つまりは奴隷であった。ダルリアッドの王子マイダーに瓜2つであったことから、氏族の争いに巻き込まれる。

マイダーは、少年時代に氏族の女王から暗殺されそうになり、その結果目を失う。ダルリアッド族では、そのようなものは王としてはみなされないのだ。ちょうど王の交代の時期であるマイダー暗殺事件から7年後に、フィドルスは、ゴールトらに身代わりを持ちかけられたのだ。フィドルスは、奴隷から解放されたばかりで今後のあても失うものもなかった。そこで、この申し出を引き受けうけることにした。
 フィドルスは、マイダーとなり氏族の元へ戻りカレドニア人の女王を倒す策謀に身を投じたのだった。""
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2008.04.06 日曜日

Slightly Scandalous/Mary Balogh

Slightly Scandalous (Get Connected Romances)
Slightly Scandalous (Get Connected Romances)

著:Mary Balogh|出版社:Bantam Books (Mm)|発売日:2003/06/03|マスマーケット|0440241111|90,000語

Bedwyn家のフレイヤは,気の強い女性。隣人で元恋人のキットは,妻との間に子供をもうけたという。家族ぐるみのつきあいをしている両家。いづれ祝い事でキットとその妻に会わなければならないだろう。未だにキットを愛しているフレイヤには耐えられないぐらいに辛いことだ。しかしフレイヤは気が強いので,その苦しみを誰にも打ち明けられなかった。フレイヤは,家にいるのに耐えられず,バースへと向かう。宿泊した宿の部屋は鍵もかからないが,メイドに張り付かれているのもいらいらする。体よくメイドを追い払ったフレイヤはベッドに入った。そこへ飛び込んできたのがジョシュア。トラブルに巻き込まれたので匿ってほしいと言うジョシュアにフレイヤは構おうとしない。ジョシュアは軽い気持ちでキスをするが,フレイアに顔面パンチをくらう。

ジョシュアは,フレイヤの気の強さに惹かれ,フレイヤと再会したときにもついからかってしまう。今回も顔面パンチをくらったが,ますますフレイヤに興味をかき立てられてしまう。フレイヤは,美しいとはいえない。見る人によっては醜いとすら言うかもしれない。しかしジョシュアは彼女の内面に惹かれていき,彼女が怒り心頭に達しているところが可愛くてしかたがない。

 そして3回目の出会いはバースの舞踏会?だった。2度にわたるジョシュアの紳士らしからぬ行動に,フレイヤの彼に対する評価は地の底。舞踏会で彼と会ったときには,紳士面した態度が許せずに彼の祖母の前で罵倒する。しかし,あっさりと誤解を修正され,また平気な様子の彼に怒り心頭。レディらしからぬ態度に周りを唖然とさせてしまう。 その夜,部屋で振り返ってみるに,彼が誤解をすぐにその場で正さなかったのは,こうなることを予測していたのだと悟り,「敵に不足なし」と思うのだった。

 そして,二人は次第に惹かれあっていく。一方ジョシュアは,叔母に自分の娘との結婚を迫られ困っていた。強引で支配欲の強い叔母は勝手に婚約発表をしようとする。追い詰められたジョシュアはフレイヤに偽の婚約を頼み,フレイヤは翌日解消することを条件に引き受ける。二人とも軽い冗談のつもりだったのだが,周囲は大喜び。中々婚約を解消することがができなくなってしまう。

* Joshua Moore Marquess of Hallmere 叔父の死によって侯爵?になった。
* Dowager Lady Potford Joshuaの祖母
* Freyja Bedwyn ヒロイン。気が強くて手が早い。ジョシュアにすでにパンチを2発お見舞いしている
* Morgan フレイヤの妹
* Wulfric フレイヤの長兄
* Constance ジョシュアのいとこ
* Marchioness of Hallmere ジョシュアの叔母
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とても面白かった。ジョシュアとフレイヤが次第に惹かれあっていく様子がいろいろなエピソードを元に書かれていてとても自然。作者のうまさを感じました。Lisaのように肉体的に惹かれあってバチバチというようなシーンは少ないのですが,その分二人の心情がよく分かります。フレイヤとジョシュアの叔母が対決するシーンは,気の強いフレイヤならではの返しが楽しいし,ジョシュアの従兄弟達のエピソードも心に沁みるものがありました。Wulfricの家長ぶり,Wulfricを心配するフレイヤもよかったです。

2008.04.06 日曜日

運命の騎士 ローズマリ サトクリフ

運命の騎士
運命の騎士

著:ローズマリ サトクリフ|出版社:岩波書店|発売日:2000|単行本|4001108283|

ランダルは、親もなくアランデルの犬飼の子として仕えていた。それは、鞭でうたれ、食べるものさえ館の台所から盗まなくてはならないということだった。いつも、怯え逃げていなければならなかった。しかし、楽人エルルアンにより、騎士エベラードに預けられることになったランダルは、やがて前向きに生きていくようになる。
 エベラードの孫ベービスとの友情、エベラードへの忠誠が、ランダルの心を変えていった。やがて、ベービスとランダルは2人でいつも行動するようになり、騎士とその従者になるべく修行を始める。ランデルの生活は平和で心満ち足りたものだった。
 領地にはアンクレットというベービスの養い親がいた。彼女は賢く薬草学に長けていて未来を予見することもできた。アンクレットは、常に暖かいまなざしで2人を見てくれていたのだ。そのアンクレットに魔女の嫌疑がかかり村人が館に襲いかかってくる。全てはド・クーシーの差し金だった。この騒ぎが元で騎士エベラートは亡くなり、ベービスが後を継いだ。そして、また戦。ランダルは大切なものを失い、その代償として騎士の座を手に入れた。それは、領地の人々に責任を持つということでもあった。ランダルは逃げることをやめ、成長し、やがて責任を持つこととなり、犬ころから「人間」になったのだ。""
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